岡山大学大学院 環境生命科学研究科

MENU

都市・交通計画学分野

都市・交通計画学分野 (Urban and Transport Planning)

教員

hashimoto 教授 :橋本 成仁 Prof. HASHIMOTO Seiji
E-mail:seiji@(@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 都市交通計画
higuchi 准教授 :樋口 輝久 Assoc. Prof. HIGUCHI Teruhisa
E-mail:higuchi@(@以下はcc.okayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野:土木史,景観工学
Ujihara_Takehito 准教授 :氏原 岳人 Assoc. Prof. UJIHARA Takehito
E-mail:ujihara@(@以下はcc.okayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 都市・地域計画学,環境計画学
→採択プロジェクトの紹介ページはこちら

主な研究テーマ

 少子・高齢社会において,持続可能な都市が求められています。安心・安全で活力のある都市と交通を実現することが重要です。環境やひとの生活に配慮した効率的な都市・交通計画やエネルギー低減の方法,景観や地域の独自性や歴史に沿ったまちづくりの施策について研究しています。

Walkableな都市の実現に関する研究(橋本教授)

 Walkableな都市を実現するためには、公共交通の充実や自動車の静穏化など人が歩きやすくなるために様々な検討が必要となる。本研究では、主に生活道路を中心とし、子供や高齢者などの日常生活を支える歩きやすい空間設計について検討を進める。具体的には、無意識に自動車が走行速度を抑制して走る道路空間設計、成長過程の子供が無意識に安全行動ができる空間設計について研究している。

img01

過疎地域における交通手段確保策に関する研究(橋本教授)

 少子高齢化が進む過疎地域の生活を担保するために、だれもが使える公共交通機関の存在は重要な要件となっている。本研究では、公共交通が存在することが過疎地域の居住意識に与える影響評価、公共交通機関を維持するために、地域の果たす役割、貨客混載などによる持続可能性の向上策等について研究している。

img02

自動運転社会における生活環境の構築に関する研究(橋本教授)

 近い将来、自動運転車両の導入が予想されている。自動運転により、社会に大きな変革が期待されるが、同時に不安点についても議論されている。自動運転車両は安全性に優れているといわれているが、ドライバーとのアイコンタクトができなくなるため、車両周辺の歩行者等にとって安心感が減少することが予測される。そこで、アイコンタクトなしでも周辺歩行者が不安を感じない走行方法とはどのようなものかについて研究している。

img03

土木遺産の保存と活用(樋口准教授)

 近代以前に築造された歴史的土木構造物の実態調査(フィールド調査、文献調査)を実施し、その価値判断を行った上で、保存・活用の方策を検討する。最近は、江戸時代の砂防施設が現存している福山市において、地域住民と協働し、その保存整備活動、地域資産として活用したまちづくりを行っている。

chiiki1

別所砂留の保存活動(広島県福山市)

土木技術史・土木事業史の解明(樋口准教授)

 近世・近代における土木プロジェクトに関わる設計図や計算書、関連資料を検索・収集し、分析することによって、事業の背景や技術の導入過程やそのレベル、設計経緯などを明らかにし、土木技術史・土木事業史の確立をめざしている。最近は、高梁川東西用水工事、児島湾干拓事業、室戸台風の災害復旧事業、岩国錦帯橋の分析を行っている。

chiiki2

「高梁川平面圖」  

人口減少過程で発生するスポンジ化現象の実態解明及び,コンパクトシティ化の検討(氏原准教授)

 多くの自治体では既に人口減少過程を迎えており,社会インフラの非効率化,コミュニティーの弱体化などの問題を引き起こしている。一方,それら人口減少過程を空間的な切り口から解明することは,これまでの成長過程とは異なる“人口減少下の都市・地域計画”を検討していく上での第一歩となる。本研究では,人口減少に伴うスポンジ化現象に着目し,新たな都市問題の早期発見及びその解決に向けた新たな都市・地域計画や土地利用計画について検討するとともに,コンパクトシティ化に向けた手法を検討します。

img_theme02.jpg

賑わい創出のための中心市街地の現状把握と課題検討(氏原准教授)

 モータリゼーションの進展やそれに伴う郊外化などによって,地方都市の多くの中心市街地は衰退の一途を辿っている。しかし,中心市街地はそれぞれの都市の顔であり,アイデンティティーを形成する一部である。また,既存ストックの有効活用やコンパクトシティの形成においても,中心市街地は重要な役割りを有している。本研究では,岡山市中心部を対象として,来街者アンケート調査や歩行量調査を実施することにより,中心市街地の現状把握や課題検討を進めている。

img_theme03.jpg

南海トラフ巨大地震を想定した津波非常襲地域の避難行動と意識(氏原准教授)

 「南海トラフ巨大地震」発生時には,津波“非常襲”地域においても甚大なる被害が想定されているにもかかわらず,それに対する居住者の意識は低く,防災対策や研究蓄積も十分ではない。また,津波“常襲”地域と“非常襲”地域とでは,想定される津波も過去の被災経験も全く異なるため,これまでの既存の研究蓄積がそのまま適用できるとは考えにくい。本研究では,津波“非常襲”地域である岡山市の居住者に焦点を当て,防災意識や備え状況,避難行動の調査・シミュレーション解析等を実施している。また、それら分析結果にもとづいて、津波からの避難対策に関する啓発活動も行っている。

img_theme04.jpg

最近の主な業績

  • 海野遥香,橋本成仁:「子どものQOLに対する親子の認識差と子どもの遊びとの関係に関する研究」土木学会論文集D3(土木計画)・特集号,Vol.76 No.5,(2021)
  • 海野遥香,友田光子,橋本成仁:「生活道都交差点部の道路改良を伴わない交通安全対策に関する研究‐運転者の止まる意識に着目して‐」土木学会論文集D3(土木計画)・特集号,Vol.76 No.5,2021
  • 橋本成仁,山下壮太,海野遥香:「コミュニケーションと高齢者の生きがいの関連性に関する研究‐SNS利用に着目して‐」土木学会論文集D3(土木計画)・特集号,Vol.76 No.5,(2021)
  • 橋本成仁,藤原勇輝,海野遥香:「空間要素が左折後加速度に与える影響に関する研究~交差点隅切半径に着目して~」交通科学51巻1号,3-9,(2021)
  • 海野遥香,友田光子,橋本成仁:「生活道路利用意識・頻度と個人の特性に関する研究」交通科学51巻1号,10-17,(2021)
  • 藤原勇輝,橋本成仁,海野遥香:「自動車の左折時における空間要素が走行速度に与える影響に関する研究」都市計画論文集, Vol.55, No.3, 616-622, (2020).
  • 橋本成仁,海野遥香:「玉野市乗合タクシー「シータク」利用者が求めるサービスのバランスに関する研究」都市計画論文集, Vol.55, No.3, 608-615, (2020).
  • 海野遥香,友田光子,橋本成仁:「個人の行動基準と運転時における交通安全意識との関係性に関する研究」都市計画論文集, Vol.55, No.3, 600-607, (2020).
  • 海野遥香,橋本成仁:「ラバーポール導入による幹線道路単路部の速度抑制効果に関する研究」交通工学論文集(特集号)Vol. 6, No. 4, A_6-A_13 (2020)
  • 海野遥香,三輪倖代,橋本成仁:「子どもの遊び・学外活動とQOLの関係に関する研究」土木学会論文集D3(土木計画学) Vol.75, No.6, I_425-I_431 (2020)
  • 氏原岳人・阿部宏史・野中捷:住宅地の盛衰クラスターからみた都市スポンジ化の実態, 都市計画論文集, Vol.51 No.3 pp.466-473, 2016.
  • 水野彩加・氏原岳人・阿部宏史:わが国の空き家及び空き地対策の現状とコンパクトシティ政策との連携手法の提案, 都市計画論文集, Vol.51 No.3 pp.1101-1108, 2016.
  • 氏原岳人・阿部宏史・村田直輝・鷲尾直紘:地方都市における都市スポンジ化の実証的研究-建物開発・滅失・空き家状況の視点から-,土木学会論文集D3(土木計画学), Vol.72 No.1, 62-72, 2016.
  • 氏原岳人・阿部宏史・佐々木麻衣:津波に対する”備え”特性の類型化と避難行動への影響,都市計画論文集, Vol.49 No.1, pp.120-127,2014.
  • 氏原岳人・阿部宏史・入江恭平・有方聡:二極の特性の異なる商業エリアを有する中心市街地内の回遊行動の実態分析-岡山市の中心市街地を事例として-, 都市計画論文集, Vol.49 No.3, pp801-806,2014
  • T. Ujihara, H. Abe and H. Shitasaki:Spatiotemporal analysis of depopulation processes-How does an urban area become perforated?-, The 10th International Conference on Urban Planning and Environment, Symposium proceedings, pp.470-482, 2012.
  • 織田恭平・阿部宏史・氏原岳人:地域産業連関モデルによる農林漁業・食品工業部門のCO2排出構造分析と政策シミュレーション, 地域学研究, 第41巻, 第4号, pp.985-1001,2012.
  • 近世最大の砂防施設群“別所砂留“ ― その実態と地域住民による保存整備活動(第一報)―,樋口輝久・戸谷宥貴・山科直生,土木史研究(講演集),Vol.36,pp.243-246,2016
  • 高梁川東西用水における酒津樋門と各用水路の設計経緯,戸谷宥貴・樋口輝久・馬場俊介,土木史研究(講演集),Vol.35,pp.229-236,2015
  • 土木コレクション2015 ―絵図・図面にみる近世・近代の岡山,樋口輝久,「土木コレクション2015 ―絵図・図面にみる近世・近代の岡山」図録編集委員会,2015
  • 中国地方の選奨土木遺産(改訂版) ―土木学会創立百周年記念―,樋口輝久(監修),土木学会中国支部,2014
  • 土木コレクションHANDS+EYES,土木学会土木の日実行委員会土木コレクション小委員会編(分担),土木学会,pp.99-110,2014
  • 建部井堰 ―現存する日本最大の農業用の総石張取水堰―,馬場俊介・樋口輝久,土木学会論文集D2(土木史),Vol.69,No.1,pp.72-81,2013
  • 昭和9年の室戸台風における岡山県の橋梁被害とその復旧について,樋口輝久・北村明音・馬場俊介,土木史研究(講演集),Vol.33,pp.53-62,2013

修了生の進路

  • 東京理科大学・助教、四国電力株式会社、日本工営株式会社、岡山市役所、アテナ、中電技術コンサルタント株式会社、中央コンサルタンツ株式会社