岡山大学大学院 環境生命科学研究科

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木質構造設計学分野

木質構造設計学分野 (Design of Timber Structures)

教員

kouji fukumoto 准教授 :福本 晃治 Assoc. Prof.(Special Appointment) FUKUMOTO Kouji
E-mail:k.fukumoto@(@以下はcc.okayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 木質構造、中大規模木造建築、構造設計、耐震設計

主な研究テーマ

 当研究室は、設計実務の経験豊富な教員のもと、大規模な建築物に木質構造を適用するために必要な要素技術や構造設計手法の研究・開発を実施します。また、CLTや耐火木材といった最新の木質材料を活用しながら、新しい構造デザインの提案も実施します。全ての研究・開発は新しい建築を実現させるためにあるという方針のもと、基礎的な研究からより実務的な構造設計まで幅広く研究活動を展開していきます。

中大規模木造建築の実現と普及に向けた研究

 欧米では、高さ60mを超える大規模な超高層木造建築が既に実現されていますが、日本でも、耐火木材、CLTなどの最新の木質材料が実用化されるとともに徐々に高層化が進んでいます。しかし、大地震時の損傷や変形、高荷重下におけるクリープ特性、耐火性能を考慮した接合ディテール、遮音・振動の問題、施工性の問題など、多岐にわたる課題があります。本研究室では上記のような新たな課題を抽出し、課題解決に向けた方策を研究し、提案していきます。


Photo:Kouji Fukumoto

木質構造と異種構造を組み合わせたハイブリッド構造に関する研究

 木質構造とその他の構造を組み合わせることで、木質材料を有効活用できます。例えば、CLTなどの木質材料を耐震要素として異種構造(鋼構造、鉄筋コンクリート構造等)に用いたハイブリッド構造です。耐震要素に特化した構造部材は耐火被覆が要求されないことが多いため、大規模な建築にも木質材料を適用しやすくなります。構造実験や構造解析を実施しながら、ハイブリッド構造としての構造性能評価に関する検討を実施します。


Photo:Kouji Fukumoto

多様化した木質材料の特徴を活かした構造デザインに関する研究

 日本でもCLTが実用化されたことで、従来の柱、梁のような線材から、CLT、LVL等の厚みのある板材まで、多様な木質材料が適用できるようになりました。当研究室では、実プロジェクトへの適用を視野に入れ、それらの構造特性、材料特性を活かした新しい構造デザインを提案します。そのために必要な要素技術、特に各部材の接合技術に関する研究・開発を実施し、知見を蓄積していきます。


Photo:Kouji Fukumoto

最近の主な業績

    ※ 当研究室は初年度のため、以下は前職の竹中工務店における業績となります。
  • CLT耐震パネルを組み込んだ鉄骨ハイブリッド構造の設計事例と抽出された課題
    福本 晃治 , 國府⽥ まりな , 齋藤 真美 , 岡﨑 智仁 , 五⼗⽥ 博 , 安井 昇
    ⽇本建築学会技術報告集 26(64), 923-928, 2020-10
  • 鉄骨架構に耐震要素として挿⼊されたCLTの実験による構造特性の検討
    福本 晃治 , 国府⽥ まりな , 久保 和⺠ , 宇佐美 徹 , 北守 顕久 , 宮内 靖昌 , 五⼗⽥ 博
    ⽇本建築学会構造系論⽂集 86(787), 1345-1356, 2021
  • CLTを鉄骨造の耐震要素として用いたハイブリッド構造の接合部における支圧力の伝達に関する検討
    福本 晃治 , 五⼗⽥ 博
    ⽇本建築学会構造系論⽂集 86(788), 1440-1451, 2021
  • ⽊はりとRC床版を組み合わせた合成ばりの鉛直⽅向の構造性能に関する実験 : その2 2070⽇経過時のクリープたわみと⻑期推定(鉛直振動・クリープ,構造III,2012年度⼤会(東海)学術講演会・建築デザイン発表会)
    北村 俊夫 , 五⼗⽥ 博 , 福本 晃治 , 熊⾕ 考⽂ , 柳澤 信⾏
    構造III (2012), 205-206, 2012-09-12 ⽇本建築学会
  • ⽊はりとRC床版を組み合わせた合成ばりの鉛直⽅向の構造性能に関する実験 : その3 有限要素法解析による検証と⻑期たわみの予測⽅法について(鉛直振動・クリープ,構造III,2012年度⼤会(東海)学術講演会・建築デザイン発表会)
    福本 晃治 , 五⼗⽥ 博 , 北村 俊夫 , 熊⾕ 考⽂ , 柳澤 信⾏
    構造III (2012), 207-208, 2012-09-12 ⽇本建築学会
  • ⼤阪⽊材仲買会館の構造設計(構造,建築デザイン,2013年度⽇本建築学会⼤会(北海道)学術講演会・建築デザイン発表会)
    福本 晃治 , ⼤野 正⼈ , 熊⾕ 孝⽂ , ⻄崎 隆⽒
    建築デザイン (2013), 230-231, 2013-08-30 ⽇本建築学会
  • CLTパネル⼯法の設計⾃由度を拡張する構造・空間デザイン
    國府⽥ まりな , 寺村 雄機 , 福本 晃治 , 松原 由典
    建築デザイン (2018), 416-417, 2018-07-20 ⽇本建築学会
  • CLT現しで中⾼層建築を実現するCLT+鉄骨ハイブリッド構造 : 兵庫県林業会館 (特集 中⼤規模⽊質混構造の新たな可能性を拓く) -- (部材の混構造)
    福本 晃治; 建築技術 (833), 140-145, 2019-06
  • ⽊造建築を耐⽕建築物として設計するための接合部の技術開発と事例 (特集 変わる⽊造建築物の防耐⽕設計) --(⽊造建築物の防耐⽕設計事例)
    ⼩林 道和 , 花井 厚周 , 北川 昌尚 , 福本 晃治
    建築技術 (837), 122-127, 2019-10
  • 構造計画 (タクマビル新館(研修センター)) : architectural design
    福本 晃治 , 久保 和⺠
    建築技術 (857), 30-33, 2021-06

修了生の進路

    ※ 当研究室は初年度のため、まだ修了生がいません。