岡山大学大学院 環境生命科学研究科

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耐震構造設計学分野

耐震構造設計学分野 (Aseismic Design of Structures)

教員

Shinji_HIEJIMA 教 授 :比江島 慎二 Prof. HIEJIMA Shinji
E-mail:hiejima@(@以下はcc.okayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 風工学/風力発電/潮流発電/流体励起振動/振動制御
Hamood 准教授 :アルワシャリ ハモード  Assoc. Prof. Alwashali Hamood
E-mail:hamood@(@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 耐震診断/耐震補強/性能評価設計/建築構造/地震防災

主な研究テーマ

<耐風グループ>
風や水流によって橋梁などの構造物に生じる流体励起振動を応用した風力発電・潮流発電を開発しています。
<耐震グループ>
解析シミュレーション、地震被害調査、構造実験などを組み合わせて、建物の耐震性能を評価・向上させ、減災や耐震都市の実現を目指しています。また、新しい時代には、建築工学を含むあらゆる分野でサステナビリティが求められるため、サステナブルなCLT(Cross Laminated Timber)木造壁と従来の鉄筋コンクリート構造とのハイブリッド構造など、新しいサステナブル構造システムの研究にも取り込んでいます。

次世代の洋上風力発電「自律高空帆走発電」の開発

 カイトで捉えた洋上風力を使って浮体を帆走させ,浮体下部に搭載した水流タービンで発電する「自律高空帆走発電」を開発している.発電した電力は送電線に接続せずに浮体内に蓄電し,海上を自由自在に帆走しながら発電するため,送電・設置コストの制約でこれまで取り出せなかった遠洋の風力を獲得できる.海上に固定しないため漁業と競合しない.ドローン船として機能するため,各種センサーや観測機器を搭載すれば発電以外の多用途にも利用できる.


Hydro-VENUS技術を用いた自立電源型流速計による洪水予測システムの開発

 振り子に生じる流体励起振動を利用して発電する独自のHydro-VENUS技術を用いて,自立電源型の流速計を開発している.電源不要かつ低コストで,水深の浅い河川でも設置可能なため,これまで水位計や流速計が設置されていない中小河川にも配備できる.多数配備することで広域的な河川流況を把握しながら,AIを援用することで洪水を迅速に予測するシステムの構築をめざす.


鉄筋コンクリート構造物の高精度で迅速な地震時被災度判定に関する研究

 地震などの災害時において,建物の構造体の損傷箇所や損傷程度を迅速かつ正確に把握し,その損傷程度に応じて速やかに復旧することは,災害に強い社会の実現に向けて極めて重要な課題である。本研究では、鉄筋コンクリート建築物の耐震性能を評価するための実用的で簡単な方法を提案し、地震で大きな被害をもたらす可能性のある欠陥を検討して、建築物の耐震性能を向上させるための持続可能で低コストの新しい方法を発明することです。また、近年開発された加速度センサを用いた応答推定を応用した迅速な被害判定手法を研究している。

国際防災研究

 本研究の目的は、経済成長に伴い拡大発展し高密度化する発展途上国における、都市の災害脆弱性の改善に貢献することである。JICAまた海外大学などと共同研究で、後積み無補強組積造壁を有する鉄筋コンクリート造建物の耐震性能評価及び耐震補強に関する研究を行っている。具体的には、(Un-Reinforced Masonry, URM)壁を対象に、(1) 実験と解析モデルによる破壊メカニズムとその影響因子の明確化、(2) 耐震診断法の開発、(3) 建築物の耐震性能を向上させるための持続可能で低コストの新しい方法を発明することです。

木材CLT壁を用いたハイブリッドRC構造物に関する研究

 最近では、1990年代にCLT(Cross Laminated Timber)と呼ばれる新しい木材材料が開発されました。CLT壁のせん断強度は約4MPaと比較的高く、RC壁と同等の強度を持っています。このようなCLT壁を鉄筋コンクリート造の代替材料として、あるいは、RC構造と併用して使用を拡大することは、CO2削減・カーボンニュートラル社会の実現にとって、有望な方法について考えられます。この研究の目的は、ハイブリッドRC構造という新しい概念を開発し、RC建築物の持続可能性と地震への耐性を向上させることである。簡略化されたモデルと有限要素解析(FEM)や実験により、RCフレームに充填された木材CLT壁の可能な破壊メカニズムと耐震性能について研究しています。

最近の主な業績

  • 比江島慎二, 遠藤愛巳, 山本晃大:自律高空帆走発電の提案とそのエネルギー取得性能の試算 日本風力エネルギー学会論文集,Vol.137, pp.10-21 (2021)
  • 比江島慎二, 泉一希:回転振動翼を用いたギャロッピング発電のエネルギー取得性能に関する実験的及び理論的研究 日本風工学会論文集,Vol.46, No.1, pp.1-11 (2021)
  • 比江島慎二, 遠藤愛巳, 山本晃大:自律高空帆走発電用パラフォイルカイトの空力特性試験と飛行シミュレータの構築 風工学研究論文集,Vol.26, pp.86-95 (2020)
  • Shinji HIEJIMA, Takeji UEDA:Marine current energy harvester using galloping-induced oscillation and rotation. Grand Renewable Energy 2018 Proceedings (2018)
  • 比江島慎二,高松宏彰,大熊広樹,上田剛慈:流体励起振動の励振機構を利用した革新的な水流発電用タービンブレード,土木学会論文集B3(海洋開発),Vol.74, No.1, pp.1-12 (2018)
  • Aljuhmani A. Ghazi, Alwashali, H., Ogasawara, A., Atsuzawa, E., Maeda, M., Seki, M..:Experimental investigation on the effect of openings on the in-plane shear strength and stiffness of cross-laminated timber panels. Engineering Structures, 254, 113786. (2022)
  • Alwashali, H., Maeda, M., Ogata, Y., Aizawa, N., Tsurugai, K.:Residual seismic performance of damaged reinforced concrete walls. Engineering Structures, 243, 112673. (2021)
  • Alwashali, H., Islam, S., Sen, D., Monical J., Maeda, M.:Seismic capacity of RC frame buildings with masonry infill damaged by past earthquakes. Bulletin of the New Zealand Society for Earthquake Engineering, 53,1, pp.13-21 (2020)
  • Alwashali, H., Sen, D., Jin, K., Maeda, M.:Experimental investigation of influences of several parameters on seismic capacity of masonry infilled reinforced concrete frame. Engineering Structures, 189, pp.11-24, (2019)
  • Alwashali, H., Torihata, Y., Jin, K., Maeda, M.:Experimental observations on the in-plane behaviour of masonry wall infilled RC frames; focusing on deformations limits and backbone curve. Bulletin of Earthquake Engineering, 16, 3, pp.1373–1397 (2018)

修了生の進路

  • ゼネコン(清水建設,大林組,大本組,ピーエス三菱,オリエンタル白石など)
  • コンサルタント(オリエンタルコンサルタント,日本工営など)
  • 発注者(NEXCO西日本,首都高速道路,岡山市などの土木系職員)
  • メーカー(住友大阪セメント,太平洋セメントなど)