岡山大学大学院 環境生命科学研究科

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食品生物化学分野

食品生物化学分野 (Food Biochemistry)

機能性食品成分のケミカルバイオロジー
(化学に基づいた生物学的研究)

教員

Yoshimasa_NAKAMURA 教授 :中村 宜督  Prof. Dr. NAKAMURA Yoshimasa
E-mail: yossan@ (@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 食品生物化学
食品に含まれる機能性成分のケミカルバイオロジー
Toshiyuki_NAKAMURA 助教 :中村 俊之  Asst. Prof. Dr. NAKAMURA Toshiyuki
E-mail: t-nakamura@ (@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 食品機能学

主な研究テーマ

 食品の機能性は,1) 栄養,2) 嗜好(安全性),3) 健康維持(疾病予防)の3つに定義されていますが,特に3番目の健康に関する機能性に注目しています。この健康機能を担う成分である,カテキンやフラボノイドなどのポリフェノール類や含硫化合物といった非栄養性特殊成分を研究材料として,その化学的(安定性,反応性),生物学的(抗酸化,抗アレルギー,抗がん作用などの生理活性)特性を解明すること,吸収,代謝といった体内動態,代謝産物の同定やそれらの生理活性の評価を行うことを目的に研究しています。

食品の機能性に関する研究

 がんや動脈硬化といった様々な疾病に, 活性酸素或いはフリーラジカルが密接に関与し, その一方で, 食品由来の抗酸化性成分の摂取が有望な疾病予防の手段になり得るとの実験及び疫学データが蓄積されつつありますが, その基礎的研究に関する歴史はまだ浅いといえます。食品の持つ機能性は, 多様な成分の個々の機能を明らかにした上で, 成分同士或いは生体成分との相互作用を含め, 総合的に評価する必要があり, 場合によっては, 食品生産, 加工及び調理方法にまで言及する必要もあります。以上の観点から, 1)食品に含まれる機能性成分の化学的(安定性, 反応性), 生物学的(生理活性)特性を解明すること, 2)吸収, 代謝といった体内動態, 代謝産物の同定やそれらの生理活性の評価を行うこと, 3)それらが摂取量によってどのように変化するかを明らかにすること, を目的として研究を行っています。

 食品機能成分による抗がん作用

食品機能成分による抗がん作用

研究業績リスト

  • Liu, Z.; Nakashima, S.; Nakamura, T.; Munemasa, S.; Murata, Y.; Nakamura, Y.: (-)-Epigallocatechin-3-gallate inhibits human angiotensin-converting enzyme activity through an autoxidation-dependent mechanism. J. Biochem. Mol. Toxicol., in press (2017)
  • Liu, Z.; Nakamura, T.; Munemasa, S.; Murata, Y.; Nakamura, Y.: Galloylated catechins as potent inhibitors of angiotensin converting enzyme. Food Sci. Technol. Res., 22, 847-851 (2016)
  • Tang, Y.; Nakashima, S.; Saiki, S.; Myoi, Y.; Abe, N.; Kuwazuru, S.; Zhu, B.; Ashida, H.; Murata, Y.; Nakamura, Y: 3,4-Dihydroxyphenylacetic acid is a predominant biologically-active catabolite of quercetin glycosides. Food Res. Int., 89, 716-723 (2016)
  • Nakashima, S.; Liu, Z.; Yamaguchi, Y.; Saiki, S.; Munemasa, S.; Nakamura, T.; Murata, Y.; Nakamura, Y.: A novel tag-free probe for targeting molecules interacting with a flavonoid catabolite. Biochem. Biophys. Rep., 7, 240-245 (2016)
  • Asahi, T.; Wu, X.; Shimoda, H.; Hisaka, S.; Harada, E.; Kanno, T.; Nakamura, Y.; Kato, Y.; Osawa, T.: A mushroom-derived amino acid, ergothioneine, is a potential inhibitor of inflammation-related DNA halogenation. Biosci. Biotechnol. Biochem., 80, 313-317 (2016)
  • Nakamura, T.; Miyoshi, N.; Ishii, T.; Nishikawa, M.; Ikushiro, S.: Watanabe, T.: Activation of transient receptor potential ankyrin 1 by quercetin and its analogs. Biosci Biotechnol. Biochem., 80, 949-954 (2016)
  • Asahi, T.; Nakamura, Y.; Kato, Y.; Osawa, T.: Specific role of taurine in the 8-brominated-2´-deoxyguanosine formation. Arch. Biochem. Biophys., 586, 45-50 (2015)
  • Nakamura, Y.: Plant polyphenols as a double-edged sword in health promotion: Lessons from the experimental models using simple phenolic acids. Agri-Biosci. Monogr., 6, 1-57 (2016)

卒業生・修了生進路

  • 大学院進学(岡山大学,京都大学)
  • 大学教員(徳島大学,中国 大連工業大学),公務員(岡山県等)
  • 製薬・化学メーカー(ヤスハラケミカル等),食品メーカー(カゴメ,明星食品,キーコーヒー等),工業メーカー(内山工業,三浦工業など),その他(財団法人毛製品検査協会等)

収穫祭ポスター

食品生物化学研究ユニットポスター2013年