SSWMSSの概要

21世紀COEプログラム“循環型社会への戦略的廃棄物マネジメント”概要

  拠点リーダー 田中 勝
(大学院自然科学研究科)

資源が保全され、環境への負荷も最小限にされていく、持続可能な循環型社会のために、という目的で戦略的に廃棄物をマネジメントすることができるように研究・教育を行う拠点を岡山大学に作ります。
生産、流通、消費を重視した結果、大量生産、大量廃棄をもたらす社会にしたといわれています。廃棄物問題(最終処分されたことになっていた豊島廃棄物、回収もされないで何時までも保管されているPCB廃棄物、ダイオキシン類対策のために膨大なエネルギー資源を使った廃棄物処理)といった問題も解決しなければなりません。

廃棄物マネジメントというのは、基本的には廃棄物の回収、再生、焼却等の中間処理、最終処分までを含み、これをWaste Life Cycleと呼びますが、これの管理を意味します。さらにさかのぼって環境デザインや、再生品の活用といった動脈と静脈の結合したトータル管理の視点から舵取りをしていかなければなりません。戦略というのは、エネルギー資源効率、環境効率、経済効率を考慮して望ましい廃棄物マネジメントをするという意味です。廃棄後の廃棄物マネジメントによって、エネルギー資源の消費の抑制、環境負荷を最小限にする社会を、効率よく達成する循環型社会の構築が求められています。

戦略的に廃棄物マネジメントを行うための研究としては,廃棄物マネジメント方式の評価選定手法として有力な廃棄物ライフサイクルアセスメント手法(Waste Life Cycle Assessment:WLCA)や,それに必要な廃棄物の有害性評価,再生品の安全性評価手法の開発とリサイクル等資源保全技術,環境負荷削減技術および廃棄物処理技術の開発を行います。具体的には,廃棄物マネジメントの 1.計画ツールの開発, 2.安全保障システムの開発,3.減量,再使用,再生利用の3R技術と適正処理処分技術を開発集積,4.戦略的マネジメントに係わる人材の養成を行い,日本のみならず,アジア,環太平洋地域の廃棄物マネジメントに関する研究教育拠点とします。

廃棄物マネジメントの戦略的計画ツールの開発:廃棄物の適正処理,資源保全,環境負荷の低減,費用負担等を考慮した客観的な評価ツールを開発し,その応用としてごみ処理を行う自治体のための意志決定支援ソフトウェアの開発を行う。
廃棄物マネジメントの安全保障システムの構築:廃棄物やその処理処分施設及び再生品・新規素材の適正管理・流通を図るための早期警戒システムの開発を行う。
廃棄物マネジメント戦略を支える要素技術の集積:発生・排出抑制や,再使用が容易になる設計・建設・生産技術の開発及び有害物質低減化材料の開発を行う。
廃棄物の戦略的マネジメントに係る人材の養成:科学的根拠に基づき廃棄物問題を解決できる人材養成機関としての環境容量創生センターや,環境総合大学院の設立と廃棄物学専攻の設置を目指す。また,近隣国の廃棄物マネジメント政策・技術の向上のために,専門家と教育訓練従事者を養成するための教育カリキュラムを開発する。
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