岡山大学大学院 環境生命科学研究科

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個人で手軽にAI(人工知能)による画像自動分類が可能に!~様々な分野の研究の省力化に貢献~

2021年10月18日

2021年10月18日


◆発表のポイント

  • これまでコンピュータに関する高度な知識が要求されたAIによる画像分類をMac(Apple社製PC)を使って通常のアプリと同様の操作のみでできるようにしました。
  • 自分のもっている画像で学習させることができるので、自身の目的に合った様々な画像の分類が簡単にできるようになります。

  近年、生物学分野においても自動撮影機能つき顕微鏡が身近になり、自動で大量の画像が取得可能になってきています。反面、その解析は高価な解析システムまたは人手を要することが多く、大量の画像を低コストで自動解析するシステムが必要とされています。
 岡山大学資源植物科学研究所の長岐清孝准教授らは、無料または安価なアプリケーションを組み合わせて、身近にあるMacで機械学習を行い、分裂細胞を含む画像の分類ができる方法を開発し、本研究成果は10月14日付で英国の専門誌「Chromosome Research」に掲載されました。
 この方法を用いれば、個々の研究者が、専門家の助けや高価なコンピュータ無しに、自身のもつ画像データを元にAIによるオーダーメードの画像自動分類機が手軽に作成できるので、様々な研究分野や研究以外の目的にも利用可能です。研究においては、このような簡易画像分類機の潜在的なニーズは意外に多く、様々な分野の研究の省力化に貢献できる方法です。機械学習は、顔認識や自動車の自動運転時の物体検出に利用されている技術ですので、本方法は、研究にかぎらず、皆さんの生活の中のオーダーメードの「これを見つけて!」を実現する方法になるかもしれません。

◆研究者からのひとこと

以前、論文投稿時に審査員から「で、そのサンプル内に各種細胞はいくつあるの?数えて数値化したら掲載してあげるよ」と要求され、6週間もかけて自分で数えたときに「どんな形の細胞でも自動で数えてくれる簡単で安い機械を出してよ!」と思ったのがこの方法を開発したきっかけです。簡単で安価であれば、研究の様々なシーンで思う、専門家にお願いするのは憚られる些細な「これ分けといて」「これ見つけて」を自力で自動化できます。
長岐准教授

■論文情報

論 文 名:Effectiveness of Create ML in microscopy image classifications: A simple and inexpensive deep learning pipeline for non-data scientists
掲 載 紙:Chromosome Research
著  者:Kiyotaka Nagaki, Tomoyuki Furuta, Naoki Yamaji, Daichi Kuniyoshi, Megumi Ishihara, Yuji Kishima, Minoru Murata, Atsushi Hoshino and Hirotomo Takatsuka.
D O I:10.1007/s10577-021-09676-z
U R L:Effectiveness of Create ML in microscopy image classifications: a simple and inexpensive deep learning pipeline for non-data scientists

<詳しい研究内容について>
個人で手軽にAI(人工知能)による画像自動分類が可能に!~様々な分野の研究の省力化に貢献~

<お問い合わせ>
岡山大学 資源植物科学研究所
准教授 長岐清孝
(電話番号)086-434-1208
(FAX)086-434-1208




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