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植物多様性進化学分野 (Plant Diversity and Evolution)

資源植物科学研究所 研究グループ

  野生植物グループ

教員

Hajime_IKEDA准教授 :池田 啓 Assoc. Prof. IKEDA Hajime
E-mail:ike@(@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 進化生物学、系統地理学、分子進化学

Jun_YAMASHITA 助教 :山下 純 Asst. Prof. YAMASHITA Jun
E-mail:junyama@(@以下はrib.okayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 植物分類学

主な研究テーマ

地球上の多様な植物は様々な生育環境への適応進化することで生まれてきたものです。当研究室では、野生植物の適応進化の仕組みを理解し、それらを応用につなげる研究を目指しています。

植物の光受容体を介した地域適応機構の解明

 植物は発芽して、成長し、花を咲かせ、次世代を担う種子を作ることで生活史を営みます。動物のように移動できない植物にとって、これらの時期を周囲の環境に適した形で制御することは植物の環境適応として重要な役割を持つことが考えられます。私たちはこうした植物の適応戦略を決める因子として、植物の光センサー(光受容体)である『フィトクロム』に注目した研究を進めています。


周北極-高山植物における生物地理学的研究

 日本列島の高標高山岳地域(高山帯;北緯35度)には、北極圏(北緯75度)に分布する植物と共通する種や近縁な種が生育しています。白夜のある北極圏と日本列島では日長を初めとした植物の生育環境が劇的に違うはずです。なぜこのような環境の違いの中で類縁な植物が生育できるのかという問いを、遺伝子解析による系統地理学の研究から明らかにすることを目指しています。


植物の分子系統解析を中心とした系統分類学的研究

 広義ユリ科、カヤツリグサ科、ヤマノイモ科などの単子葉植物を主な材料として、伝統的な分類体系を分子系統などを用いて検証し、表現形と系統関係の不一致の生物学的意味を探ると共に、より調和的な分類体系の構築を目指す。研究材料と遺伝資源の収集や植物相調査のための野外調査も行う。


最近の主な業績

  • (1) Wakai, N., Yamashita, J., Enomoto, T., Hanafusa, T., Ono, T. and Maeda, M. Factors affecting 137Cs concentration in wild plants and soils of different land use in Iitate village after the Fukushima nuclear plant accident. Radiation Safety Management 18: 1-8. (2019. 2.)
  • (2) Takaishi, A., Kozhevnikov, A.E., Kozhevnikova, Z.V., Ikeda, H., Fujii, N. and Soejima, A. Phylogeography of Pulsatilla cernua (Ranunculaceae), a grassland species, in Japan. Ecology and Evolution 9: 7262-7272. (2019. 6.)
  • (3) Oda, J., Fuse, S., Yamashita, J. and Tamura, M. N. Phylogeny and taxonomy of Carex (Cyperaceae) in Japan I. C. sect. Rarae. Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 70(2): 69-85. (2019. 6.)