研究科紹介

ホーム > 研究科紹介 > 社会基盤環境学専攻 > 農村環境創成学講座 > 環境経済学分野

環境経済学分野 (Environmental Economics)

教員

教授 :生方 史数 Prof. UBUKATA Fumikazu
E-mail:ubukat-f@(@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野:東南アジア地域研究、国際開発学、ポリティカルエコロジー、資源経済学
→採択プロジェクトの紹介はこちら

主な研究テーマ

環境問題を解決するためには、自然科学的な知識や技術だけでなく、環境問題を人間社会の課題としてとらえるための人文学・社会科学的なセンスが欠かせません。当分野では、環境問題を社会や政治経済の視点からみることで、「科学リテラシー」と「社会リテラシー」を兼ね備えたハイブリッドな研究や人材育成に貢献していきたいと考えています。

東南アジアにおける資源開発の政治・経済と地域社会への影響

 近年経済成長が著しい熱帯アジア諸国では,石油,鉱山,森林,河川やラグーンなど,豊かな天然資源が次々と開発されてきました。一方で,資源が存在する地域に住む住民の生活は,必ずしも開発の速度に見合った向上を示しているとはいえません。また,急激な開発により,自然環境や住民の生存基盤が破壊されているという批判も国内外で急速に高まっています。研究では,タイ,ラオス,ベトナム,マレーシアなどで起こっている事例をもとに,政府・企業・住民・外国の人々・NGO・国際機関などが,資源開発をめぐってどのようにせめぎあってきたか,そしてその結果,どのような制度が構築され,地域社会にどのような影響を与えてきたかを検討しています。

img_theme02.jpg

アブラヤシを収穫するインドネシア人のプランテーション労働者(マレーシア,2011年8月14日撮影)

自然資本の構築プロセスと自然や社会へのインパクト

 金融市場や直接支払といった資金調達手法の活用による環境対策が、世界各地で導入されてきています。しかし、これらが成立するための基盤や実施の影響を現場の視点から途上国で実証した研究は未だ不十分です。本研究では、東南アジアにおける生態系サービスへの支払(PES)や国際環境認証制度等の導入を、自然の商品化に連なる自然の「資本化」や「金融商品化」の動きとして位置づけます。そして、関連議論とその実体化の過程を、技術・制度政策・実態という3つの視点から分析することで、自然が「資本化」し「金融商品化」する経緯と政治的メカニズムを検証し、自然や社会へのガバナンスの変化を考察しています。

img_theme03.JPG

東南アジアの森林。森林減少・劣化によって毎年大量の炭素が放出されている(マレーシア・サラワク州 2008年撮影)

 

最近の主な業績

  • 生方史数編 『森のつくられかた—移りゆく人間と自然のハイブリッド』共立出版,2021年
  • Dinh, N. C., Ubukata, F., Tan, N. Q. and Ha, V. H. "Long-Term Improvement in Precautions for Flood Risk Mitigation: A Case Study in the Low-Lying Area of Central Vietnam". International Journal of Disaster Risk Science, https://doi.org/10.1007/s13753-020-00326-2, 2021.
  • Tran, H. B. C. and Ubukata, F. "Understanding Local and Scientific Knowledge about Flooding Adaptations in Low-lying Areas of Central Vietnam". Journal of Vietnamese Environment 12(2): 123-131. 2020.
  • Ubukata, F. "Environmentally Challenged Asia: in the Context of Backwardness and Diversity", In Goto, K. et al. eds. The Asian Economy: Contemporary Issues and Challenges. Routledge, Abingdon and New York. 233-249. 2020.
  • Ubukata, F. and Sadamichi, Y. “Estate and Smallholding Oil Palm Production in Sarawak, Malaysia: A Comparison of Profitability and Greenhouse Gas Emissions”, In Ishikawa, N. and Soda, R. eds. Anthropogenic Tropical Forests: Human-Nature Interfaces on the Plantation Frontier. Springer, Singapore. 497-515. 2019.
  • Ubukata, F. and Hoang, T. Q. “Local Struggles for the Coproduction of Natural Capital: Payment for Forest Environmental Services in Central Vietnam”, In Devlin, J. F. ed. Social Movements Contesting Natural Resource Development. Routledge, Abingdon and New York. 83-97. 2019.
  • 蛯原一平・齋藤暖生・生方史数編『森林と文化ー森とともに生きる民俗知のゆくえ』共立出版,2019.
  • Ho, T. T. and Ubukata, F. “Climate Change in Vietnam’s Mekong Delta: Soc Trang Rice Farmers’ Perceptions and Adaptive Behaviors”. Journal of Environmental Science for Sustainable Society 8. 1-14. 2018.
  • 生方史数「環境問題に向き合うアジア―後発性と多様性のなかで」遠藤環・大泉啓一郎・後藤健太・伊藤亜聖編『現代アジア経済論―「アジアの世紀」を学ぶ』有斐閣,254-272. 2018年
  • 生方史数「「緑」と「茶色」のエコロジー的近代化論―資源産業における争点と変革プロセス」井上真編『東南アジア地域研究入門 第1巻 環境』慶應義塾大学出版会,215-236. 2017年
  • Trinh, M. A. N., Kim, D-C. and Ubukata, F. “Negotiating the State-making in Vietnam borderland – Case study of an ethnic minority group in Central Vietnam,” Belgeo (Belgian Journal of Geography), 2016-4, 1-25. 2017.

修了生の進路

ジャパンインターナショナル総合研究所、SCSK、岡山商工会議所、神鋼環境ソリューション、NTTファシリティーズ関西、旭化成、日立ソリューションズ、岡山県警、大学教員、大学院進学など