岡山大学大学院 環境生命科学研究科

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環境疫学分野

環境疫学分野 (Environmental Epidemiology)

教員

Toshihide_TSUDA 教授 :津田 敏秀 Prof. TSUDA Toshihide
E-mail:tsudatos@(@以下はmd.okayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野:環境疫学

主な研究テーマ

 環境汚染による人体への影響の定量的評価

化学物質曝露による人体への影響評価

メチル水銀曝露は水俣病という有名な公害病を引き起こしてきました。しかし、水俣病事件が食中毒事件であることはあまり知られていません。1956(昭和31)年の全国食中毒事件録には、水俣病事件が食中毒事件であることが記載され、原因食品が水俣湾産魚介類、病因物質が不明として記載されています。しかし、水俣病事件はその後、食品衛生法に義務付けられた調査がなされず、その診断は通常の中毒症(食中毒症)の診断方法と著しく異なるものとなりました。この点を解明しています。

物理的環境曝露による人体への影響評価

環境が与える人体影響は、物理的曝露、化学的曝露、生物学的曝露、心理学的曝露、社会的曝露、文化的曝露に分類できます。そのうち物理的曝露には、放射線曝露、温熱環境曝露(熱中症)、気圧環境などがあります。このうち、放射線被ばくは私たちの日常では医療での診断と治療による曝露が最も身近なものです。私たちが影響を受ける放射線曝露での健康影響として主たるものとして発がん影響が挙げられます。ところが放射線被ばくによる発がん影響は1950年代以降、様々な研究がなされてきています。それを系統的に究明しています。

生物学的曝露による人体への影響評価

環境が与える人体影響では、生物学的曝露の場合、細菌曝露、ウイルス曝露が代表格です。現在、世界での生物学的曝露として、新型コロナウイルスがパンデミックを起こしています。新型コロナウイルスの伝播としては、呼吸を通した感染と、接触を通した感染とが考えられています。これと共に細菌曝露とウイルス曝露の代表格が、飲食物を介した食中毒です。これらの事例を収集し、法的整備も含めた検討を加え、今後の予防に役立てる研究をしています。

最近の主な業績

  • Tsuda T, Lindahl L, Tokinobu A: Ethical Issues Related to the Promotion of a “100 mSv Threshold Assumption” in Japan after the Fukushima Nuclear Accident in 2011: Background and Consequences. e-ISSN 2196-5412, Curr Envir Health Rpt 2017 DOI 10.1007/s40572-017-0145-0Curr Envir Health Rpt 2017; 4; 119-129.
  • 津田敏秀:健康影響を捉えるための曝露評価とは(1) ―疫学とよばれる基礎的科学方法論について―.科学2018;88(4):398-404.
  • 津田敏秀:健康影響を捉えるための曝露評価とは(2) ―曝露の誤分類・ITT分析・操作変数・自然の実験―.科学2018;88(6):635-644
  • 津田敏秀:健康影響を捉えるための曝露評価とは(3)―自然の実験、non- differential な曝露の誤分類、曝露群寄与危険度割合―.科学2018;88(7): 713-721.
  • Tsuda, Toshihide; Tokinobu, Akiko; Yamamoto, Eiji; Suzuki, Etsuji: Re: Associations Between Childhood Thyroid Cancer and External Radiation Dose After the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident. Epidemiology: November 2018 - Volume 29 - Issue 6 - p e56–e57
  • 津田敏秀:感染症の疫学とアウトブレイク対応.現代思想2020年5月号 緊急特集=感染/パンデミック.2020;48(7):61-69.

修了生の進路

  • JICA